大塚国際美術館に行った感想|原画と陶板絵画のレプリカを徹底比較!

大塚国際美術館とは

大塚国際美術館という美術館をご存知でしょうか?

「美術館に興味はないよ…」という方もちょっと待って下さい。

大塚国際美術館は普通の美術館とは一味違った美術館ですのでご紹介します。

行ってよかった美術館&博物館ランキング1位

大塚国際美術館は世界最大の旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」による「行ってよかった美術館&博物館ランキング」(2011年)で堂々の第一位を獲得しています。

一体どんな美術館なのでしょうか?

陶板の技術を利用した「レプリカ」だけの美術館

大塚国際美術館にオリジナルの作品は存在せず、陶板名画といういわゆる世界の名画のレプリカのみが展示されています。

レプリカの絵画は「陶板」という陶器の板の上に描かれています

レプリカといっても単なる写真のようなものではなく、下の画像のような手順で最新の技術を駆使して精巧に再現されています。

陶板絵画の製作方法

単に印刷されただけでなく、手作業でレタッチが加えられているため油絵独特の迫力や臨場感を感じられます。

では本物の絵画と遜色はないのでしょうか?

その点はこのあと詳しく比較します。

紅白歌合戦で米津玄師が歌った中継会場

ちなみに大塚国際美術館は、2018年の紅白歌合戦で米津玄師が「Lemon」を歌った際の中継会場です。

米津玄師は、後でご紹介するシスティーナ礼拝堂を再現した空間で生歌を披露しました。

シングル「Lemon」のジャケットが描かれた陶板もありました!

良かったポイント

世界の名画が一度に見ることができる

やはり名画の数々を一度に楽しめるのは大きなポイントです。

フランスのルーブル美術館、イギリスのナショナルギャラリー、アメリカのメトロポリタン美術館といった世界中に点在する名画を一箇所で鑑賞することができます

有名な絵画ばかりなので、あまり美術館に興味のない方でも楽しめると思います。

システィーナ礼拝堂を完全再現!

システィーナ礼拝堂の再現

僕が最も印象に残っているのは、大塚国際美術館の最大の見どころの1つであるシスティーナ礼拝堂です。

冒頭で触れた米津玄師が紅白で歌った場所ですね。

システィーナ礼拝堂はイタリアのバチカン宮殿にある礼拝堂で、壁や天井など見渡す限りに絵画が描かれていることで有名です。

システィーナ礼拝堂は絵画の細部を鑑賞するというよりも、全体の雰囲気を楽しむといった感じなので、
後述するような陶板ゆえのデメリットも感じず、ただただ素晴らしかったです。

ちなみに…

ちなみに、映画『E.T.』の指と指を合わせるシーンは、
システィーナ礼拝堂の天井画の一部の『アダムの創造』から取られています。

アダムの創造
アダムの創造
e.t

残念だった点

客がうるさい!

修学旅行の学生が多かったこともありますが、美術館としては驚くほど騒がしかったです。

落ち着いて鑑賞したかったので残念でした。

額縁や展示の雰囲気が安っぽい…

展示品が膨大なためか、額縁は安っぽく見えました。(次のセクションに比較画像あり)

また、会場も美術館にふさわしい厳かな雰囲気とは言えませんでした。

高い入場料なのでもうちょっと頑張ってほしい…。

この写真のような雰囲気であってほしい↓

美術館の雰囲気
ボストン美術館にて

原画と陶板絵画の比較

原画と陶板絵画の比較

とても精巧に再現されている陶板絵画ですが本物に見劣りしないのでしょうか?

結論から言うと、本物には及ばないと感じました。

実際に原画と複製の陶板絵画を比較してみましょう。

上の画像は個人的に好きなモネの「ラ・ジャポネーズ」。

原画はアメリカのボストン美術館に展示されていて、実際に僕が撮った写真です。

運営の都合上画質を落とした写真を掲載しているためわかりづらいですが、実際に同じ絵画を見てみるとかなり違います。

ただ、大塚国際美術館の陶板絵画だけを見たならば「へ〜」と楽しめるクオリティだと思います。

では、細かい点を見ていきましょう。

凹凸が少ない(油彩画)

油彩画に関してですが、レプリカの陶板絵画は原画に比べて凹凸が少なく感じました

冒頭で紹介した通り、印刷された後にレタッチが加えられているとはいえ本物には及びません。

絵の具の凹凸は油彩画の醍醐味と言っても過言では無いので残念なポイントです。

光を反射する

陶板絵画の光の反射

陶板絵画はキャンバスではなく陶器の上に描かれているため、照明を反射してしまいます。

この光の反射がかなり目立ち、陶板ぽさが際立ちます

この光さえなければかなり雰囲気が出ると思うんですけど…。

陶板の分かれ目が目立つ

原寸大で再現されているため、大きな絵画の場合は複数の陶板がつなぎ合わされて描かれています。

その継ぎ目が意外と目立ってしまうのです。

オーラを感じない

ラ・ジャポネーズのオーラ
ボストン美術館でのラ・ジャポネーズの原画

最後に、陶板絵画からはオーラを感じませんでした笑。

おそらくこれまでに挙げたような細かい点の積み重ね、なりよりも「これは複製だ」とわかった上で鑑賞しているからだと思います。

まとめ

大塚国際美術館はかなりおすすめできます。(←おすすめできるんかい)

酷評となってしましましたが、僕も原画を見たことのない絵画に関してはかなり楽しめました。

世界各地に散らばっている名画を全て見に行くことは大富豪でもない限り不可能なので、とても良いコンセプトの美術館だと思います。

美術館にあまり興味のない方でも楽しめると思うので是非訪れてみてください。

原画と陶板絵画の比較
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