話題の+Jのシャツを11月13日発売日に心斎橋店に並んで買ってきました。
開店30分前に行ったのですが、100人以上並んでいたのを見た時はどうなることかと思いました笑
ユニクロUのブロードシャツよりも1,000高いだけなので、「デザイン料で素材はたいしたことないかなあ〜」と思っていたのですが、想像を遥かに上回る商品でした!
この記事ではシャツマニアの僕が、+J(プラスジェイ)のスーピマコットンオーバーサイズシャツ&レギュラーフィットシャツを誰よりも詳しく徹底レビューします。
実際に購入する前にこの記事を読んでいただけると嬉しいです!(買った人も読んでください笑)
+J(プラスジェイ)について
+J(プラスジェイ)はユニクロのジルサンダー氏とのコラボラインで、約9年ぶりの復活です。
ジルサンダーはドイツ出身の女性デザイナー、またその自身の名を冠したファッションブランド(JIL SANDER)です。
人気絶頂のJIL SANDERをプラダが買収しますが、ジルサンダー氏はコスト削減を求めるプラダグループと対立し、デザイナーを辞任。
このような経緯で現在、ジルサンダー氏がデザインを務める服は+Jでしか購入できないということもあり、かなりの注目を集めています。
事実、オープンと同時に売り切れるアイテムが続出し、オンラインストアも当日の夕方ごろまでアクセスできませんでした。
共通の素材・ディティールのレビュー
オーバーサイズシャツもレギュラーフィットシャツも生地やボタンといった素材は共通のものが使用されています。
それぞれのシャツのレビューの前に、使われている素材がいかに素晴らしいかを解説します
スーピマコットンが使われた生地
トロトロで光沢があるのはもちろん、目が詰まっており肉厚です。
高級綿である「スーピマコットン」が用いられているためです。
スーピマコットンについて
よく聞く「スーピマコットン」についてご存じでしょうか?
コットン(綿)はその繊維の長さから短い順に、 短繊維綿、中繊維綿、長繊維綿、そして超長綿とクラス分けされます。
スーピマコットンとは繊維が最も長い超長綿の一種です。
簡単に言うと、最高級のコットンということですね。
繊維が長いことで、なめらかで光沢のある仕上がりとなるのです。
スーピマコットンと合わせて、ギザコットン、新疆綿の3つが世界三大綿と呼ばれます。
生地の感想
間違いなくユニクロ史上最高の極上生地です!
おそらく100番手~120番手程度のスーピマコットン糸をかなり高密度に織っているものと思います。
高密度に織ることで単に光沢があるだけでなく、肉厚な生地となっています。
僕はシャツが好きので高級なシャツも持っていますが、+Jのスーピマコットンシャツの生地はそれらの高級シャツに全く見劣りしません。
「THOMAS MASONの生地だよ」と言われても疑わないかもしれません。
写真では生地感が伝わらないので、是非実物を見ていただきたいです。
ユニクロUのブロードシャツのレビュー記事では「セレクトショップでは1万円するだろう」と書きましたが、+Jのシャツは1万円5千円はくだらないでしょう。
僕の好きなUNITED ARROWSメインラインやH BEAUTY&YOUTHに並んでいてもおかしくないレベルです。
この生地を見て「所詮ユニクロやからwww」とか言ってるやつはあほです。
本物の貝ボタン
プラスチックではなく貝ボタンが使われており、こちらもユニクロ史上最も美しいボタンです!
事前に貝ボタンを使用していることは表記されていたのですが、実は不安材料でした。
なぜなら「ユニクロの価格なら高瀬貝だろうなあ」と思っていたからです。
貝ボタンにも高瀬貝、白蝶貝、黒蝶貝など種類があり、高瀬貝が最もリーズナブルなのですが真っ白ではなく、少し黄色がかった色合いなのです。
ですので「高瀬貝であれば真っ白の生地に、くすんだ色のボタンが浮きそうだなあ」とか思っていたのですが、白蝶貝のような真っ白さと輝きを持っており驚きました。
この価格でまさか白蝶貝ではないと思うのですが…、僕の知らない貝ボタンが用いられているのかもしれません。
ご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたいです。
ダークトーンカラーのシャツには黒蝶貝らしき貝ボタンが用いられています。
こちらは黒蝶貝で間違いないと思います(多分)。
白蝶貝ほど高価でないとはいえ驚きです。
とにかくボタンも最高です!
ただ、あいかわらずボタンを留めている糸はほつれそうで不安…
ドレスシャツのような芯地
生地とボタンは誰にでもわかりやすい点でしょう。
その2点に加えて芯地にも注目してほしいです。
芯地とは主に襟回りやカフス部分の生地と生地の間に使われるパーツのことで、シルエットを保つ効果があります。
ビジネスシャツの襟が固くてパリッとしているのも芯地のおかげです。
ユニクロのカジュアルシャツでは芯地は使われていない、もしくはかなり柔らかめの芯地が使われていましたが、+Jのシャツはカジュアルシャツとしてはかなりしっかりとした芯地が入っています。
触った感じでは芯地の中でも高級なフラシ芯が使われていると思います。
芯地のおかげで、襟の形が保たれ、パリッと着こなすことができます。
ガゼットのディティール
ガゼットとはシャツの繋ぎ目に当てられるパーツのことです。
元々は裂けるのを防ぐために取り付けられていましたが、縫製技術が上がったために必要無くなりました。
上記のような背景、またドレスシャツに多いディティールのためドレスライクで上品な印象になります。
「+J」の文字がかっこいですね。
高級なシャツに用いられるディティールなのでユニクロで見れるとは驚きです。
5,000円はおろか10,000円以下のシャツでガゼット付きは見たことありません。
+Jスーピマコットンオーバーサイズシャツのレビュー
レビュー
オーバーサイズシャツは今回の+Jの目玉商品です。
僕が一番狙っていた商品であったため開店直後に展示在庫がなくなったときは焦りましたが、店員さんに尋ねて無事ゲットすることができました。
インナーとしてだけでなく、1枚だけでも様になります。
僕は白色のMサイズを選びました。在庫があれば黒色も買い足そうかな。
シャツのデザインは以下の通りです。
- ボタンを隠す比翼仕立て
- ボディの切り返し
- マチのあるポケット
- 前身頃と後身頃の長さが異なり、立体的である
といったようにジルサンダー氏のデザインを存分に味わえるシャツとなっています。
素材と異なりデザインについては好みの問題もあるのであまり語りません、というか語れるほど理解してません笑
一点語るとすれば、ボタンが隠れる比翼仕立てです。
以前から比翼仕立てのシャツが欲しかったということもあり、かなり気に入ってます。
比翼仕立てはもともとはタキシードに合わせる際のフォーマルシャツのデザインです。
そのような背景もあり、フォーマルな印象となります。
ドメブラなどで比翼仕立てのシャツを買うとなるとウン万円しますからね…。
また、隠しボタンダウンのおかげで、襟の小さいシャツにありがちな「襟が浮いてしまう」ということもありません。
といったようにオーバーサイズシャツはジルサンダー氏のデザインを存分に味わえるシャツとなっています。
残念な点は…
残念なところのない完璧なシャツと言えるでしょう。
残念なところではないのですが以下の3点が気になりました。
- 着こなせる?
- カフスのボタンがなぜ2つ?
- 絶対被るやつやん…
着こなしが難しい
問題があるとすれば着こなしが難しい点です。
ルックでは背が高くスタイルの良い外国人が着ているから様になっているのであって、日本人が着こなすことはできるのでしょうか。
実際に着てみましたが、身長がある程度無ければ厳しいと思います。
カフスのボタンがなぜ2つ?
カフスのボタンが絞りを調整できるように2つ縫い付けられています。
「え、普通のことやん」と思うかもしれませんが、ファッション好きが持っているシャツのカフスボタンは大抵1つで、+Jのレギュラーフィットシャツのカフスボタンも1つです。
ジル・サンダー氏が意味も無くボタンの数を増やさないと思うので僕なりに理由を考察してみました。
オーバーサイズファッションでは「着せられている感」を拭うために袖口を絞るという着こなし方があります。
ですからサイズ調節の意味ではなく、「ゆったり着ることもできるし、袖口を絞ることもできる」という着こなしに変化をつけるために2つのボタンが付いているのではないかと思います。
個人的にはダサいと思うから1つ取り外そうかな笑
絶対被るやつやん…
かなり個性的なデザインのシャツですし、話題になっていることもありユニバレは避けられないでしょう。
当分は街中でも被りそうです…
レギュラーフィットシャツと同じく一部店舗限定品にしてほしかったです。
+Jスーピマコットンレギュラーフィットシャツのレビュー
レビュー
レギュラーフィットシャツはワイン色のMサイズを購入しました。
オーバーサイズシャツが注目され、その陰に隠れている印象ですが、レギュラーフィットシャツも素晴らしいです。
定番のデザインであるがゆえに、素材の上質さが際立つ一品となっています。
こちらも在庫があれば買い足したいです。
ユニクロUブロードシャツとの違い
はっきり言います、+JレギュラーフィットシャツはユニクロUブロードシャツの完全上位互換です!
生地、ボタン、芯地、ディティール全てを上回っています。
ユニクロU買わなければよかった…泣
個人的に残念な点
もう少し首周りを細くしてほしい!
+Jレギュラーフィットシャツは首回りがMサイズで41cmと少し太めです。
ユニクロUブロードシャツのMサイズ39cmと比べてもわかりますね。
これまで述べたようにとても上質な素材なので、首周りも細くしてドレスっぽく着こなしたかったです。
ポケットいる?
これほど上質な素材でディティールもドレスよりのものなので、個人的にはポケットは不要でないかと感じました。
オーバーサイズシャツのこだわりのあるマチ付きポケットと異なり、取って付けたようなポケットですし…
欧米ではポケット無しが標準ですし、ポケットが無ければミニマルでスタイリッシュな印象となると思います。
スタンドカラーもしくは比翼仕立てのものが欲しかった
素晴らしいシャツなのですが、オーバーサイズシャツに比べると「普通かな」というデザインです。
ですから、カジュアル要素を取り入れたスタンドカラー、もしくはドレスに振り切った比翼仕立てといったシャツも見てみたかったです。
まとめ
「素晴らしい」この一言に尽きます。
「ジルサンダー氏のデザインを感じたい!」という方はオーバーサイズシャツ、
「着こなしが難しそう…」という方はレギュラーフィットシャツをおすすめします。
両方手に入れたいところですが、どちらかだけと言われればオーバーサイズシャツですね。
最後に、とても上質な素材なのでアイロンがけをさぼるとめっちゃダサいとだけ言っておきます。